海から帰る



酸漿(ほほづき)の一輪白くうつむけるままに優しく知る海開き


寝床にて聴く蝉たちの一声の下に縛りを増すのが国、か


妹に起こさるる朝立つものを慌て隠すも夏の発端


妹の水着はいつも濡れてゐて炎天に渡りゆく潮溜り


濡れやまぬ物として国、静かなり。濡れながら硬直を進めつ


海ゆ戻れば居間には闇が両膝をかかへて座せり、まるで日本だ


夕暮れの厨(くりや)に浮ける妹の白シャツ、はつか乳首を透かせ


妹よ、海より帰る僕たちを夕立ちの包みたりし夏を