泉の夜


蛾の蛹火にくぶる君 もののふのごとかきいだくすべは知らねど

ナイフ、フォークきらめきながら音たてぬ夜を汝(な)が眉は鮮明すぎて

君の身にわが肉片を沈めつつ脳裏に天の金雀枝(えにしだ)は満つ

たびたびに眠り覚まして過ぎゆくに泉よこたふごとき君かな

身にまとふものなき夜明けを家中の時計数秒づつずれて指す