G a r d e n
ウサマ・ビン=ラディンの眉の太さかな黒葡萄食む夜明けの餐に
ムスリムの愛か知らねど何者かに抱きすくめられ崩れゆくビル
国家対国家とならぬ戦ひのかたみに愛を打ち交はす頬
裏返りゆく青空に僧服を着る人が来て砂をこぼせり
煙たつ果ての
北部同盟
(
ノーザンアライアンス
)
ここにも愛が布陣してゐる
一面に咲く星条旗 めまひしてやり過ごしたり愛の嵐を
英語拙き大使が語る潔白のターバンに隠されて
体系
(
システム
)
学生
(
タリバン
)
と寝まほしき宵 ほの光る
夕星
(
ユフヅツ
)
を手に取りてゐたりき
帝国の塔には花が咲き君には見えるだらうが僕には見えぬ
「
庭
(
ガーデン
)
」が、眼の前にありわがうちに空虚満ちつつ初冬の晩暉
初出:「游」9号2001.12
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